第258話 今日は健全に早起きです
昨日飲みながら話した結果。
明日、美ら海水族館へ行くためにレンタカー3台を借りることが決まった。
そして今日は19時に皆で夕飯を食べに行くことになった。
修先輩とか風遊美先輩あたりが僕の過剰労働を見かねたらしい。
僕自身はあまり気にしていないのだけれども。
半ば好きでやっている事だし。
さて、今朝は早い。
7時20分にしてもうバス停に並んでいる。
実は昨日夜。
愛希先輩に今日の目的地についての相談を受けたのだ。
「ごめん。朗人は沖縄初めてだから、ほんとうはおきなわワールドあたりを回るのが正しいのはわかっている。それでもどうしても明日やりたい事があるんだけど付き合ってくれないか。天気もいいし風もなさそうなんでチャンスなんだ」
「いいですよ。でも何をするんですか?」
「ちょっと自転車で回りたい場所があってさ。朗人は自転車は乗れるよな」
「一応大丈夫ですけれど」
「良かった。実はさ」
そう言って愛希先輩はパンフレットを取り出す。
沖縄県全域の地図が載っているものだ。
「この海に向かってずーっと出ている部分、自転車で走るってプランがあるんだ。自転車もここで借りられるらしい」
愛希先輩が地図で指したのはうるま市の端。
地図で見ると沖縄本島の中央より下の右側のでっぱり部分だ。
海の中を道路が延びていて、いくつかの島に繋がっている。
「いいですね、気持ちよさそうで」
「だろ。気候的にもちょうどいいしさ」
確かに楽しそうだ。
「よし、じゃあ予約っと」
スマホに予約サイトのリンクを入れていたらしい。
愛希先輩はポチポチとスマホを操作する。
「今からの予約で大丈夫なんですか」
「当日の朝9時まで受け付けているって書いてあった」
なるほど。
「という訳で、明日は7時24分にバスセンター発。早起きよろしくな」
ん?
ちなみに今の時計はAM1:30。
「だったら早く寝ないと不味くないですか」
「まあ自転車だし、バスで2時間近くかかるからその間に眠れるし」
そう言いつつ何個目か不明のサーターアンダギーを頬張っている。
おいおい。
「明日の朝御飯とかドリンクとかは用意してありますか」
「うーん」
「いざとなったら魔法移動して買い出しというのは今回無しですからね」
「……」
「そういう訳で、今日はさっさと寝ますよ」
「……わかった」
未練深げな愛希先輩を引っ張って、借りているもう片方のスペースへ。
ルイス先輩が寝ている隣の部屋に布団を敷く。
あの保養所で2人きりの夜のおかげで、今はこの布団配置でも平気になった。
世の中慣れだなやっぱり。
そんな訳で朝6時に健康的に起床。
歯を磨いて顔を洗って。
スマホで動画サイト開いて曲を選んでボリューム最大。。
6時20分になっても起きない愛希先輩の耳元にそのスマホを置く。
「ドラえもーん♪」
予想通り目を覚ました。
ちなみに曲はThe OffspringのAll I Wantだ。
そうやって起こして着替えて宿を出て。
途中のコンビニでドリンクとおにぎりとパンを仕入れて。
無事バス停に辿り着いた訳である。
そ80系統屋慶名行きと表示のバスがやってきた。
よし。
ここまでは予定通り。
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