哀悼の意 その2

 小池さん

「あちらの世界の偉大なる女王が崩御なさったわね……」


 秘書さん

「故人への賞賛と侮蔑の声がネット上を飛び交っておりますが、なにもしない総理と違い、直接的にしろ間接的にしろ、人類史の出来事に数多く関わってきたことは事実であります……」


 小池さん

「まぁこれで下手こいたのはあちらの世界の岸田総理ね。平家の落ち武者でヘチマ顔の元総理の葬儀にかこつける《国葬外交》をしようとしたけど、完全にあてが外れたわね」


 秘書さん

「総理といえども一人の役人ですからね。一度決めたことは金をジャブジャブ使って強行すると思いますよ」


 小池さん

「最近思うのよね。たかが葬儀にこれだけゴタゴタするのなら、私もいよいよって時の為に生前葬をした方がいいのかしら?」


 秘書さん

「総理にしては殊勝な心がけですね。もしよろしければ警備や費用について専門家を呼んでシミュレートしてみましょうか?」


 小池さん

「なに言ってるのよ! 葬儀会場にカメラやドローンを隙間なく配置して、与党のみならず野党の奴らの動向を探るのよ。ほくそ笑んでいたり

『本当の葬儀ならいいのにな』

とほざいたらその場で国外追放よ! そうすれば、私の体制はあと五十年は安泰でいられるわ! オーホッホッホッホ!」


 秘書さん

「もはやあちらの女王の在位期間すら更新しそうな勢いですね……」

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