番外編その四十八 「中央卸売市場」

 秘書さん

「異世界で喧々囂々けんけんごうごうと騒いでいた卸売市場がようやく開場しましたね」


 小池さん

「はぁ~ようやくね。そもそもあたしの前の前の前の……都知事が決めたことや工事のことで、な~んであたしが非難囂々ひなんごうごうされなきゃいけないのよ!」


 秘書さん

「名古屋市でさえ、熱田区の中央卸売市場がありますが、北には北部市場、南は精肉の南部市場が存在するのに、ただでさえ人口や取引が多い首都東京で、一極集中の巨大卸売市場の必要性があるのですかね?」


 小池さん

「だ~か~ら~、それを決めたのは前の前の前の……都知事よ! 今更あたしに愚痴ってもどうしようもないわよ」


 小池さん

「だいたいなんであたしが都知事になってから、土壌汚染やアスベストについての問題が表に出てくるのよ! 裏を返せば歴代都知事が必死で隠してきたことじゃないの! まったく、オリンピックも今頃になって経費だボランティアだ騒ぎ出しやがって!」


 秘書さん

「まったくそうですね……。ん? 都知事?」


 秘書さん

「ちょっと待って下さい! もしかして異世界の小池氏がここに転移! じゃあ総理は! ひょっとして、あちらの世界の都知事に! た、大変だぁ~!」


 小池さん

「そんなに慌てなくても大丈夫よ。今頃は貸し切りにした豊洲の寿司屋で豪遊しているわ。それにしても総理の椅子って座り心地いいわね。このまま居着いちゃおうかしら」 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る