番外編その十五 「歓待」

 秘書さん

 「総理、コウノ外相が○国で豪華な歓待を受けたとマスコミが騒いでいます。

『故事にならって、無能な使者だから盛大にもてなした』と……」


 小池さん

「マスコミって語彙ごいが乏しいわよね。いつまでカビの生えた故事を例えに出しているのかしら」


 秘書さん

「……と、おっしゃいますと?」


 小池さん

「○国○産党は序列と面子メンツが全てよ。最初の外相会談の時に、ワ○イーはコウノに向かって

『てめぇの親父を見習え!』

って嫌味言ったらコウノのヤツ

『大国○国がちぃせぇことで、いつまでもぐだぐだ言ってるんじゃねぇ!』

って倍返しをしたんだから、ワ○イーもふてくされて会談時にあるまじき、チンピラみたいに片腕を机の上おいて斜めに椅子に座って会談を続けたからね」


 小池さん

「あれでワ○イーは完全に下手へた打ったわね。首脳陣も

『あんなチンピラといっしょにするな!』

ってことで、バラエティーのいじられ芸人のように、ワ○イーを徹底的にこき下ろしたわ。コウノごときがNo.2のリ○首相と会談したのがその理由よ!」


 秘書さん

「つまり仲間の一人を徹底的に追い落として、自分の地盤固めに利用したって事ですか……末恐ろしいですね」


 秘書さん

「ですがその点、我が『醤油拉麺党』は派閥こそあれど平穏を保っていますね。これも総理の人徳のおかげですか?」


 小池さん

「や~ねぇ! そんなんじゃないわよ。派閥をおとなしくさせる為に、派閥の長を官邸の裏で『壁ドン』しながら徹底的にこき下ろしているだけよ。オホホホホ……」

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