二噺


「なぁ、側近よ」

「……」

「側近よ……無視は酷くないか?」

「……」

▶魔王は問いかけた。

▶側近はガン無視をした。


「……ロスーー。流石の我も泣いちゃうよ?」

「……チッ……なんでしょうか?」

「今、舌打ち……」

「な・ん・で・しょ・う・か?」

▶洗濯の汚れの様にしつこく魔王は問いかけた。

▶側近は真顔に青筋が浮かんでいる。


「……最近の仕事時間多くないか?」

「ここ最近は勇者出現により、魔王城があるここに集まる魔族が増えて来ています。その為、仕事増加です」

▶それを聞いた魔王は苛立ち机を叩く。


「くッ!勇者め!!」

「嘆いても無駄なので、口ではなく手を動かして下さい。私なんって、ここ一週間寝てないですよ?分かります?一・週・間。OK?魔王あなた様がサボっているツケが私に来るんですよ?ねぇ?分かってます?ねぇ?」

「……ご、ごめんなさい」

▶クマを作って真顔で言っている側近は怖かった。by 魔王。

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