友達
白乃 ゆき
出会い
咲良との出会いは高校2年生のときだった。
友人に高野咲良って友達が会いたいって言っていると言われたことがきっかけだった。
咲良は私とその友人が廊下で話しているのを見て仲良くなりたいと思ったらしい。
初めて咲良と話したときに顔や話し方が可愛くてずっと気になっていたと言われた。
彼女はとても可愛らしくてたまに小悪魔でユーモアがある人で周りからも愛されている人だった。
たまに、変わってるなー。って思うところもたくさんあったけれどそれも彼女の性格だと思っていたしおっちょこちょいな彼女に振り回されたこともあった。それでも一緒にいて楽しかったし誰よりも相手のことを考えて行動できる人だとも思ったからこそ“友達”を続けてこれたのだ。
高校3年間クラスは全て違ったがとても仲がよく、学校が終わってからおいしいケーキ屋さんや流行のパンケーキを食べに行ったり、好きなモデルの握手会に書店へ行ったりもした。一緒にショッピングもしたし遊園地にも行った。誕生日も毎回お祝いしてくれたし、咲良の家でお泊まりだってした。受験もお互い一般受験だったから毎日のように勉強もした。卒業旅行にも行った。
本当に普通の女子高生を満喫していた。
でも。
今思うとそれが全部無駄なのではないかと思うときがある。
彼女のわがままに少し付き合ったり、おっちょこちょいな性格からよく旅行へ行くときに待ち合わせの時間に遅れて新幹線の出発ギリギリに到着して焦ったことも、私への憧れからよく洋服や化粧品や小物や好きなアイドルまでよくマネされたことも。
今思ったら私はなんで嫌と言わなかったのだろうか。
咲良との関係を壊したくないから、仲良くしたいからあえて合わせていたのだろうか。
咲良の性格だからと受け止めていたつもりだったからなのか。
ただ弱かっただけなのか。
私は彼女のわがままや旅行での遅刻やマネされたことも他にもいろんなことが嫌だったと後で思った。
高校生になってはじめて呆れると思ったのはこのとき。
“ウザい”や“むかつく”とは違う。
でも、その数年後、呆れるから落胆へと変わってしまうことが起きる。
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