お気持ちはお察し致します

御徒町組

第1話 藤原楓 バイトを辞めました。

バイトを辞めました。でもとても良い経験をしてので、お話させていただきます。

そこのバイトは、午前中三時間、平日の2〜3日の勤務、そして8月はまるまるお休みしてよいという、好条件の求人でした。子どもがまだ小さいので、幼稚園にいっている間だけ働ける!と思い、お宝を見つけた気分でした。日曜日の新聞の求人の折り込みチラシに載っていたのです。その後も、このお宝探しがやめられず、日曜朝は、新聞ではなく、求人チラシをまず手に取る習慣がついてしまいました。

翌月曜日、九時と同時に電話をして、翌日に試験と面接を受けに行くことになりました。早速、十年ぶりに履歴書を書き、準備万端。いざ出陣と思い、テクテク歩いていきました。

行ってみたらビックリ!なんと十人以上の女性が、なにやら座っており、試験を受けるようでした。試験は今日だけではなく、木曜日まで行うそうで、あまりに応募が多いから、受け付けは月曜日に締め切ったそうでした。小さな会社らしく、募集人数はたったの一人。こりゃ無理かと思いましたが、久しぶりの試験には真剣にチャレンジ。簡単な英語、数学、社会、漢字のテストと、なんだかすごい量の性格診断テストを受けました。

そして、最後に面接。

「あなたのお家は持ち家ですか?」ときかれ、「はい」と答えました。

グッタリ疲れて、とぼとぼお家に帰りました。見込みなしかな、とちょっと悲しい気分。

何日か過ぎて、その会社から連絡があり、「働いていただけますか?」という、オファーでした。私はビックリして、

「いいんですか?」と思わず、聞き返してしまいました。兎に角、そうして私の社会復帰は始まりました。

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