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「だいたいなんでいっつも夕子ばっかりモテるわけ?スタイルも顔も私の方が断然良いでしょ!」
「男はスタイルより可愛さ重視なんだよ。知らんけど。夕子胸大きいし。可愛さアピールはしてるよね」
「わかる! なんか、物落としたときにこう、見えんの? 見えないの? みたいな胸アピールしてよいしょっとか言いながらしゃがむの見て、あーコイツ、ヤベーきてんなーって思った」
「たしかにそんなことしてたかも」
「あと夏祭りの時に一人だけばっちり可愛い浴衣着てきて周りの男子共の視線集めて悦に入ってたりね。浴衣着て来るんなら言えっての」
「あったねーそんなことも」
「学校祭の演劇でヒロインを投票で決めるってなった時も私と一票差で勝ってめっちゃ喜んでたしね。たかだか学校祭の癖に」
「ちなみに私も夕子に入れたよ。可愛かったよね夕子のジュリエット」
「修学旅行の時なんてさ、シカ見たり団子食ったりする度にいちいち『かわいー』とか『すっごくおいしー』とか、めざましのレポーターかよ!」
「美咲は団子の串を指の合間に入れて鉤爪とか言って写真とってたね」
あーーーー!!!思い返しただけでイライラする。正直、嫉妬の部分も大きいので見苦しい部分もあるけどやっぱり腹が立つ。
夕子と友達になってから一緒に歩いているとよくナンパに引っ掛かる。しかも目的は夕子だけ。その度に私がどんだけその男共を蹴散らしてきた事か……・
「そうだ、夕子の事を漫画のネタにしちゃえば良いんだ」
「どうやって?」
「すごーくブサイクな女の子がイターイぶりっ子をしてクラスメイトに引かれるギャグマンガ。で、突っ込み役に美人で素敵な親友が一人いるの」
「なるほど、不細工が美咲で美人の親友が夕子ね」
「ちがうわボケ!! 逆よ逆。私が美人で夕子がブサイク。そうね、まずはすごく太ってるデザインにして……」
すごく最低な事をしているのは分かっているのだけれど、人は人を蔑んでいる時こそ最高に楽しい気分になれるのだ。私はそうだから。
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