第八十三話 よろしくてよ

「お嬢様。手が土で汚れまする。爺やが代わりに草をむしりましょう」

「よろしくてよ」


「お嬢様。屈むと腰が痛くなりまする。婆やが代わりに草をむしりましょう」

「よろしくてよ」


「お嬢様。日差しで肌が荒れまする。姉やが代わりに草をむしりましょう」

「よろしくてよ」


「おい、車夫。何もしないし、何も出来ないお嬢様を、草捨て場に捨ててきてくれ」

「よろしく……えええーーーっ!?」



【おしまい】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る