第四十七話 三分の壁

「ウルトラマンが、校長に怒られてるな」

「そらそうだろ。三分しか草むしりできないなら、どうしても雑になる」


「さぼったのか?」

「それはないよ。残り時間に急かされて取った最終手段がまずかったんだ。なんちゃら光線で焼き払うのは草むしりじゃない。地味でもちゃんと手でむしれってさ」


「てか、怪獣も邪悪なほにゃらら星人もいないのに、ウルトラマンが来る事自体がおかしい」

「敵はあとででっち上げればいいんだってさ。日銭を稼がないと生活していけんらしい」


「でも三分しか働けないと、まともな職が……」

「ああ。校庭の草むしりすら出来ないんじゃなあ」



【おしまい】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る