第四十三話 資源

「草むしりってさ。生えてる草をゴミにして、ゴミになる草がまた生えて来るってことでしょ? それって、すっごい虚しい」

「ゴミを資源に置き換えればいいじゃん」


「むしった草って資源になんの?」

「なるんじゃない? わらしべ長者みたいに成功した人がいるんだし」


「単なる伝説じゃん。資源化に成功したやつがいるなんて聞いたことない」

「いっぱいいたら困る。ほんのわずかな成功者が資源を独占できるからこそスペシャルドリームなのよ」


「じゃあ、残りの敗残者は?」

「資源になる」


【おしまい】

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る