第三十六話 ターゲット、ロックオン!
「ふふふ。草むしりは絶好のアプローチチャンスよ」
「なに、彼にアタックかけるの?」
「当然じゃん。ライバル多いんだから、偶然を装うチャンスは絶対に逃がせないわ!」
「ふうん」
「一心不乱に草をむしってるふりして、その勢いで彼にぶつかるの。ごめんなさいついでに名前と顔をアピールして、あわよくばそのまま押し倒して……」
「妄想はいいけど、現実は甘くないと思うよ」
「え?」
「彼に向かって、草がなくなっていく筋が何本も……」
【おしまい】
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