第二十六話 労働者の悲哀

「俺たちは資本家に搾取されている。正当な労働対価を得られていない。草むしり労働組合を結成し、教師団との団体交渉に臨もう!」

「てか、交渉の申し出は却下されたじゃん。そもそも学校は営利団体じゃないって」


「では、我々は誰に交渉して勝利を勝ち取ればいいのだっ!」

「財布の紐握ってるのは、俺たちの親だよなあ……」


「む。それは交渉相手としては難易度が高すぎる」

「たりめーだ。成績上がんねえやつにはびた一文払わんつーて、賃金カットされるのがオチだよ」


「いつの時代も、労働者は搾取され続けるのか……」

「いいから、さっさと草むしれって! おめーがいつまでもぐだぐだやってっから、それでなくてもマイナスの労働単価がどんどん下がるんだよっ!」



【おしまい】

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