第二十九話 お願い、女神さま

「あなたのむしったのは、金の草ですか? 銀の草ですか?」

「ただの草ですけど」


「あなたは正直な人ですね。金の草も銀の草もあげましょう」

「いや、それは要らないので、わたしの代わりに校庭の草をむしってください」


「欲のない人ですね。では、あなたの願いを叶えますね」

「ありがとうございます! ラッキー!」


「……」

「てか、なんで一本しかむしっていかないんだ? なんて欲のない……いや、気の利かない女神だっ!」



【おしまい】

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