第二十八話 禁断症状
「草むしり禁断症状?」
「はい。学校生活のほとんどを草むしりで費やしてきたので、卒業後にどうしてもむしりたくなって」
「あちこちの学校を転々としてきたわけか」
「そうです。用務員と言っても、草むしりしかしたくないのですぐにクビになって……」
「禁断症状に耐えられず、草をむしろうとして勝手に学校の敷地内に入った、と」
「はい。悪意はないんです。あくまでも禁断症状で……」
「それなら、なんで女子更衣室に忍び込んでたんだ?」
「女子生徒の某所に草が生えてたからです」
【おしまい】
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