ハーブ

 もう夜は寒くて凍えそうになる、冬です。

 やはりこの季節になると、生のハーブを手に入れるのは困難ですね。

 庭で育てていたハーブも、夏から秋にかけての台風でダメになっていますし、猶更です。


 ということで、今回は乾燥ハーブをいくつか買って参りました。


 用意したのはいつもの肉問屋さんから購入したラムラック。

 この骨の間の肉をカットしたものはラムチョップと呼ばれます。


 雑味が苦手なので精製塩を塗りたくり、粒の黒胡椒をミルで挽いてこれまた塗りつけます。

 塩をしてしばらく置くとドリップが出るので、これをキッチンペーパーを押し付けるようにして除去します。放置すると延々と出てくるので、一度で諦めました。

 そしてハーブを塗す! ひっくり返して、また塗す。

 これをキッチンペーパーを敷いたバットに載せ、冷蔵庫の中へ。半日ほど寝かせます。


 私は基本、肉でも魚でも調理する前に匂いを嗅ぐんですが。

 今回のラムラックは、少し独特の匂いが強めだったのでタイムを多めに配合しました。あとは適当です。



 キッチンにあるIHコンロの魚焼きグリルは、数か月手入れを怠っていたことでパンデミック状態でした。

 そんなときの為に、別口で存在するグリルを使います。別名、サラマンダーと呼ばれる業務用の200Vのヤツです。

 火力は最低限に抑え、ゆっくりと時間を掛けて焼きあげます。

 強火で焼くと表面が焦げるだけで、中まで火が通らないのです。


 表面に塗したハーブは肉から滲み出た油と合わさり、とても良い香り放っています。

 リビングまで届いた香りに、まるで子供のように早く、早くと急かすのです。

 本来であれば、カットするのも吝かではないのですが、今日はこのまま出しましょう。


 皿の横にはカービングナイフを置き、個々人でカットしてもらいます。

 ソースは用意していません。下味に着けた塩だけで十分なのです。

 肉本来の旨味を堪能してもらうには、やはり塩でしょう。

 勿論、胡椒も各種ハーブも効いています。そこに偽りはありませんよ? 


 皆が赤ワインを飲むのを横目に、私は日本酒を冷やで併せます。

 今や、赤ワインは天敵ですからね。

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闇に溶ける 月見うどん @tukimi_udon

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