秋の残った味覚
最近、喘鳴が酷いのだが、もしや肺癌か……。
タバコは吸っていたが奇跡のような禁煙以来、手は出していないというのに。
退院したばかりだから、たぶん風邪ひきだろう。と思うことにした今日この頃。
隣のとても狭い土地が整地されている。
以前は雑草が背丈よりも高く生えていたというのに。
なんでも都心からゴルフに来るための休憩地として買い上げたらしい。小さな家を建てるのだとか。
うちの植樹が少々はみ出ているので、伐採しなければならなくなるだろう。ちょっとだけ残念だが、近隣トラブルを思えば仕方がない。
伐るのは西洋李と花梨か、最近はめっきりと実をつけなくなった樹たちだ。
うちの果樹で元気なのは柿くらいなのだが、私も含めた家人は柿があまり好きではない。
手にすると崩れるのでは、と感じるまで木で完熟させた柿を取り込み、表面の汚れを軽く拭き取るとラップで包んで冷凍庫で凍らせておく。
季節外れの春や夏に自分で食すには美味しく、来客への茶請けには若い柿の葉に載せて出すと喜ばれる。しかし、奇をてらった処で多くを食べられるものでもない。飽きるし、元から好きではないから。
そうして今年も冷凍庫の中に蓄積される柿を処分するに至る。
秋も深まり、葉が落ちた様々な木々の枝の先に解凍した柿を刺しておく。
大半は野鳥が啄んでくれることだろう。多少、冷凍庫の臭みを吸っている古いものだが我慢してほしい。
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