第2話「秋山澪の密かな愉しみ」2

◯澪の部屋のドアをノックする音

澪「はい?」

律「こんにちは。MPO法人カブ仲間の田井中です」

澪「なんだよ、いつもはノックもなしで入って来るくせに」

律「もうバイク決めた?今度の試験休み、一泊でツーリング行こうぜ!ほらほらカブはいいよ?新型も出てるし」

◯バイク雑誌を見せる。

澪「まあ大体決めた。こないだ実家に帰った時、話ししてさ。ただちょっと資金が…」

律「教習所代出して貰ったんだろ?じゃあ家庭教師のバイト代溜まってんだろ?」

澪「まあ原付なら買えるけどな。もうちょっと大きいのが欲しくて…」

律「自動二輪か?」

澪「うん。パ、お父さんは」

律「パパでいいよ。で、澪パパはなんて?」

澪「自分がフュージョン乗ってたからかスクーター推しなんだよね。バイクは所詮エンジン付自転車だけど、スクーターは二輪自動車だって」

律「澪パパはスバル車好きだもんな」

澪「うん、この間BRZ勝手に買って、ママと大喧嘩したらしい。レガシィどうするんだって」

律「澪ママはR1だっけ?」

澪「うん買い物用にね。結局澪も免許取ったから3台でいいって事になったけど、私が成人したら、BRZは名義変更するって」

律「へーラッキーじゃん」

澪「まあね、パパったらBRZに"藤原とうふ店"て書こうとしてママに殴られてた」

律「あははいくら新型86とユニット一緒でもな」

澪「そうそう。ん?律ってそんなに車に詳しかったか?ははあ、さては…」

律「なんだよー。師匠最近車とバイクの話しかしないんだ。ツーリングとかも連れてってくれないし…」

澪「(ほう。いい歌詞が書けそうだな。題名は"恋の第二段階"っと…)、ああ!ハッピーターン残しといてくれ!」

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