第1話 破り捨てたから


頭に血が上り、そして

写真を破り捨てた


心の通い合わない、そんな関係なんて

写真を破り捨てた瞬間の、苦みがあった


当時のような感情

今は ない


私は何かを記録したいと思った


失われていくことなのか

変化している記録なのか

痕跡や、発展

いや、一人部屋の独りの

社会の外から

金属的な音を鳴らす


羅列するのでもなく

整理するのでもなく

克明にでもなく


目的を作り出す



破り捨てた





約束はもう、ない

あとは作り出す






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