契約魔法
「うわああああああっ、助けてくれ」「死にたくない死にたくない死にたくない」「なんでもする! だから頼む! 助けてくれえぇ」「ぎゃああああああああああっ」「おい! ふざけるな! 早く俺を助けろ! 助けてくれぇ!」「妻も子どもがいるんだ! 俺はまだ死ぬわけにはいかないわだぁ」「動け動け動けーーー! 身体よ動けーーー!」「お母さんお母さんお母さんお母さんー! 死にたくない死にたくない死にたくない」「殺すぞ貴様! 絶対に殺す! 殺す殺す殺す」「頼むから! 金ならいくらでも払う! だから、頼む。助けてくれぇ!」「家族がいるんだ! ロデ ! マルコ! 死にたくないー」「助けてくれ頼むなんでもするなんでもするなんでもする!」「呪ってやる呪ってやる呪ってやる!」「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいー、頼むから殺さないでくれ!」「神よ神よ神よ神よーー! 御心のままに」「殺してやる、絶対に殺してやる!」「おい、神様! なぜ、こんな仕打ちを! 俺は毎日祈ってただろうがぁ! 死にたくない死にたくない死にたくない」「殺すなら殺せ! 絶対にお前を殺してやる!」「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」「死ね死ね死ね! みんな死ねー!」「ふふ……これは夢だ……ふふ、ふふふふふふふふふふふ」「おい、頼むから助けてくれ! なんでもする!なんでもするからさぁ!死にたくない……俺は死にたくないーーーーーー!」
「……今日で、君と踊るのも最後か」
「死にたくない死にたくない死にたくないー!頼むから助けてくれぇ!」「俺が悪かった! 謝る、だから助けてくれぇ!」「誰かぁ!あいつを殺してくれ!誰でもいいからあいつを……あいつおおぉ!」「ふぎゃれなろは……フヒ……フハハハハ」「死ぬ……俺は死ぬのか……そうか、俺は……死ぬのか……」「へっ……みんな、慌てふためきやがって! 俺は死ぬのなんか怖くない……怖くないぞぉ!」「死にたくない……セシル……死にたくない……」「助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ助けてくれ」「みんな……死を受けいれるのです。あきらめて死を受け入れれば、必ずや神が……」「一生呪ってやる! 一生呪ってやるからなぁ!」「むごい……こんなむごい仕打ちがよくできるなぁ!」死にたくない死にたくない死にたくない死にたくない」「神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ神よ―――――――!」「嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!」「夢だ……フヒヒ……これは、夢だ……悪夢なんだ……フヒヒヒヒヒ……フホホホホホ……早く覚めてくれ――――――――――――――――!」
「……契約魔法のせいだね」
「死にたくない……俺はこんなところで死ぬわけにはいかないんだぁ!」「他のやつでいいだろ! 俺じゃなくていいだろう! 死ぬのは俺だけじゃなくたって!」「神アリストよ――――――! 我を救いたまえ! 我を救いたまえ! 我を救いたまえ! 我を救いたまえ! 我を救いたまえ! 我を救いたまえ! 我を救いたまえ! 我を救いたまえ! 」「死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ死ぬのは嫌だ」「死ね死ね死ね死ね、死ね死ね死ね死ね……」「殺してやる! 絶対に貴様を殺してやる 絶対に貴様を殺してやる殺してやるからなぇ!」「フフフフフフフフフ……ウフフフフフフフフフフフフフフフフ……」「呪ってやるからな! 呪ってやる呪ってやるううう!」「ごめんなさい頼みます殺さないでごめんなさい頼むから殺さないでごめんなさいごめんなさいー、頼むから殺さないで―――――――!」「神よ神よ神よ神よーー」「殺してくれ、もう、いっそのこと殺しくれ!」「なぜ、こんな仕打ちを! 俺は毎日祈ってただろうがぁ! 死にたくない死にたくない死にたくない」「殺すなら殺せ! 絶対にお前を殺してやる!」「死にたくない死にたくない死にたくないー!頼むから助けてくれぇ!」「俺が悪かった! 謝る、だから助けてくれぇ!」
「胸が……痛いよ」
*
ほどなくして。ヘーゼン=ハイムがロイドと共にジーザズ荒野が見える山頂に着き。
「……美しい」
ロイドは、見惚れていた。
魂を喰らう悪魔の姿を。
その闇魔法使いの美しい円舞曲を。
そして。
「……」
ヘーゼンは、その光景を、黙って眺めていた。
なにが起こったか、史上最強と謳われる魔法使いは瞬時に理解した。
四聖の死を。
ライーザ王の死を。
大陸統一という夢の終焉を。
すでに、滅悪魔が喰らった魂の数から、どう足掻いてもここでは勝てないことを思い知る。たとえ、聖闇魔法でも……戦天使リプラリュランでも……
やがて。
「アシュ=ダール……」
ヘーゼンはつぶやき。
「アシュ=ダール―――――――――――――――――――――――――――!」
全力で叫んだ。
*
それから。
歳月が経ち、アシュは一体の人形を創り出した。永劫を超えた先まで連れ合っていけるような人形を。闇魔法使いが一人残されても寂しくないような玩具を。アシュの全精力をかけて創り出した。
そして。
とある、食卓にて。
「……」
「どうかされましたか、アシュ様?」
ミラは、怪訝な顔をした主人に問いかける。
「この料理……」
「ああ、調理場の戸棚にレシピを見つけたもので。誤字脱字はありましたが、素晴らしい料理の数々でしたから」
「……」
「特に、ニンジンが多く入っている料理でしたが、お気に召しませんでしたか?」
「……いや。ニンジンは……好きなんだ」
闇魔法使いは、料理を口に運んだ。
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