第一章 未知の世界
異変①
翌日、玲音は早々に帰宅して手早く食事と風呂を済ませる。
椅子に座り21時になるのを秒読み数えて心待ちにしていた。
(あと30秒か……)
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(3)
(2)
(1)
時間ぴったりにログインをして、いつもと変わらぬ天空城の自室に出るはずだった。
しかし、レオンのいる場所はレジェンド・オブ・ダークではよく見慣れた普通の民家。
始めた時に最初に与えられる拠点であり、必要最低限の家財道具しか置かれていない殺風景な民家であった。
その拠点に、ぽつんと置かれた椅子にレオンは座っていた。視線を落とせば目の前では10人の男女が跪いている。
それは忘れようもない、レオンが最初に作った10人の従者。ドイツ語の1から10までを名前とし、レオンがナンバーズと設定した者たち。
ナンバーズの統括者、
それぞれが、戦闘、内政、生産に特化した職業を取得し、ゲームを始めた頃はレオンと共にクエストをこなした想い出深い従者たちであった。
訳の分からぬ状況にレオンは首を傾げる。
(最初の拠点といい、何らかの不具合でも生じたのか?)
レオンはメニュー画面を開きログアウトを試みるが、ログアウトをする画面がロックされているのか開くことができない。
今度は運営に連絡を入れようとサポート画面を選択するがこれも開かない。
(ログアウトもできなければ運営に連絡することもできない。アップデートで問題が起きたのかもしれないな)
次にレオンはフレンドリストを開いて仲間への連絡を試みる。
そう思ったレオンだが、その期待は裏切られる。
(どういう事だ?フレンドリストに名前が一つもない)
次にレオンはギルド画面を開いてそこから仲間に連絡を試みる。
しかし、そこに表示されている文字は予想外であった。
(ギルドに未所属だと?)
そこには本来表示されるべきギルドの情報はなく、未所属と記されていたのだ。
(馬鹿な!なぜ未所属に……。コタツさんが俺をギルドから追放した?いや、有り得ない!)
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