潔癖

ふくさく

1

かつかつかつ、と黒板にチョークが当たる音が教室に響き渡る。冬だから、というのもあるのか、皆換気をしたがらない。もやっと気持ち悪い空気が充満していて、集中力が奪われる。



そんな教室で授業を受けている僕__中原爽良は、いつものように苛々としていた。


気持ち悪い空気のせいでうまく働かない脳みそを叩き起こそうと首をぐるっと回す。と、スマートフォンを隠れて操作し、SNSかなにかでの情報収集に勤しんでいるクラスメイトが目に入った。


ああもう。またイライラする。授業中にスマホなんかいじるなっての。授業受ける気ないだろうな、こいつ。


すると、そいつのスマートフォンがぶーっと震える。教師が気づいてスマートフォンを没収。

ざまあみろ、規律守らないからだよ。

しかし、スマートフォンを奪われた当の本人は反省の色などなく、むしろ『人のもの奪うとか最低』とでも言いたげな顔で教師を睨んでいる。








ああ、どんどんイライラが溜まっていく。

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