第215話 まつのみ 松の実

 世界に100種類程ある松の大半は北半球に広く分布しており、食用とされる松の種子を松の実と呼ぶが、食用に適する大きさのものは20種類程になる


 日本国内だと身近なクロマツやアカマツの種子は、翼を有して風によって分散することもあって比較的小さく、食用にはあまり向かないが、ジャムやお酒に加工することは可能


 松ぼっくりが青い時期でないと美味しくないため作れるのは梅雨入り前頃と期間限定ではある(実になるのは秋から冬にかけて10月~12月なのでその前に)


 ヨーロッパの「ナッツ・パイン」や中国の「華山松」、朝鮮半島や日本の「朝鮮五葉」、メキシコの「インディアンナッツ」、アメリカの「アロカビアン」などと呼ばれる。


 日本には8種類が存在する

 葉の数が2枚のものを二葉松、5枚のものを五葉松

 二葉松:アカマツ、クロマツ、リュウキュウマツ

 五葉松:ハイマツ、ゴヨウマツ、チョウセンゴヨウ、アマミゴヨウ、ヒメコマツ


 このチョウセンゴヨウが現在国内で流通しているのが食用 

 チョウセンとあるが、朝鮮から輸入などされたわけではなく、1889年にドイツの植物学者ハインリッヒ・マイルが群馬県で発見するまでは、朝鮮半島にある固有のマツと考えられていたため、チョウセンゴヨウと呼ばれているだけである


 

 日本の松の歴史は縄文時代にまで遡る

 当時はアカマツが瀬戸内海に生育しており。 その後、弥生時代から古墳時代にかけては近畿地方を中心に拡大。全国にアカマツが広く植えられるようになったのは、室町時代から江戸時代にかけて


 江戸時代から明治にかけてアカマツを根こそぎ刈り取り、所謂禿げ山状態となる


 このアカマツ、防風や防砂、土石流失防止

 水気の多い地盤の基礎や造船などの機材資源として、あるいは燃料用材、江戸時代には、アカマツは油を多く含む為、夜の作業を行うための灯りの役割など数多の生活に貢献しており、故に狩り尽くしていたわけである


 海岸に多く見受けれるのはクロマツの方で、潮水に強く、耐寒性を有している


 そして、このクロマツとアカマツ両方が分布している所には交配種のアイグロマツがある


 1896年(明治29年)信濃川大水害 を契機に1897年(明治30年)に政府は「森林法」を制定し、保安林制度の創設等によって森林の伐採が本格的に規制されることになり、植栽が始まった


 現在は、化⽯燃料の利⽤に伴い薪炭林が不要となり、伐採されなくなったことで植⽣遷移(ある場所に生育している植物の集まり(植生)が、時間の経過とともに変化していくこと)が進み、陽樹林(日当たりを好み、日陰地では育ちにくい樹木で構成されている)であるアカマツ林は減る一方である


 また、北⽶原産の外来⽣物「マツノザイセンチュウ」(日本の侵略的外来種ワースト100に選定)という線⾍が引き起こす伝染病「マツ材線虫病」の蔓延

 ⽇本のマツはこの病気に対する抵抗性が低く、1970年代後半から被害が激増し、アカマツ林は壊滅的な被害を受ける

 マツノザイセンチュウの被害は、初の事例が1905年に長崎県、その後1921年ごろ兵庫県で確認。1982年までにほぼ全国に拡大している


 これにより現在はアカマツ林が見れるところは限られている。



 さて、食用ではないアカマツの方を説明してきたが、何故か、歴史的には古い付き合いのあるというのは同じであり、調べても中々出てこない


 現在も主に国内で流通して食べられている松の実であるチョウセンゴヨウに関して言えるのは、1937年(昭和12年)に東京で化石が見つかるなど旧石器時代にも食べられていたのではないか、と考えられている。

 


 あとは、クロマツの祖先であるフジイマツが約1700万年前頃にユーラシア大陸から日本へ移入し、クロマツは270万年前に起源したとされるくらい


  またデータベースがなかった https://x.gd/Z4c7k

 他にも便利なサイトがあったので載せておく


 ビタミンE・K ミネラルの銅 が多く、江戸時代に灯りに使われていただけあって脂質が多い


 100gあたりの含有量 カロリー 約690 kcal


 カロリー調整は必要で、

 10g(約30粒)程度なら、栄養を摂りつつ太りにくい範囲

 20g(約60粒)程度なら、運動量が多い人やエネルギー補給に向いている。

 30g以上食べると、カロリー過多や胃もたれの原因になることもある



 

 心臓・血管の健康維持・アンチエイジング・ダイエットサポート・免疫力アップ・美肌・美髪効果・便秘改善・抜け毛の予防や改善


 薬膳的には、松の実には体を温め、気を補い、肌を潤し、咳を鎮め、内臓機能を調節し、脳を活性化する働きがあるとされる


 

 料理自体には非常に使いやすい。


 そのまま調理にちらしたり、炒ってからちらしたり、ソースにしたり、薬膳でも使用されているが、普通にスープに入れたりするなど使い勝手が良いが、カロリーが高いので家族などで分ける場合はあまり気にする必要性はないが、一人分を作る際は留意、特にデザートで使用する場合は本当に注意


 

 思った以上に高い。理由としては成長に10〜20年かかる(供給量が少ないのに需要がある 重要と供給のバランス)

 収穫 & 加工に手間がかかる(殻むきが大変 機械化がしにくい) 


 松の実は古代中国の医薬書や歴史書にたびたび登場し、「仙人の食べ物」と称されるほどの滋養強壮・長寿効果があるとされている

 神農本草経しんのうほんぞうきょう

「上品(最も優れた薬物)」として分類されている

「久しく服すれば、身を軽くし、老いず、延年する」

「五臓を潤し、気力を増し、精を養う」

「肌を潤し、髪を黒くする」


 本草綱目ほんぞうこうもく

「脾胃を補い、腸を潤し、血を養い、津液を生じる」

「風湿を去り、肌を潤す」

「長く服すると、身を軽くし、寿命を延ばす」


 養生訓ようじょうくん

「松の実を常に食すれば、老化を遅らせ、髪は黒く、顔色は艶やかになる」

「肺を潤し、咳を止める」(呼吸器系への効果)

「便通をよくし、腸を滑らかにする」


 松の実症候群

 松の実を摂取した後に一時的な味覚異常、特に苦味や金属的な味を感じることがある。この症状は、摂取後1~2日以内に現れ、5~14日間続くことが一般的であるとされるが、原因物質は未だ特定されていない


 特定のマツ科植物、特に中国原産のアカマツの一種の種子が関与していると考えられている。

 本来、食用とされないこれらの種子が食品流通過程で混入し、症状を引き起こす可能性がある


 アカマツの酒

 アカマツの葉350gを洗って2~3cmに刻んでグラニュー糖100g、ホワイトリカー1.8Lと共にビンに詰めて3ヶ月後出来上がり、薬酒になる 1回20ml程度を1日2回飲む 血行促進、動脈硬化、高血圧予防、咳止めなどに効果がある

 葉ではなく、松ぼっくりの方(若い緑色の状態でも可能)




 料理にするにも下処理に時間がかかる。また、地に落ちる以前の松ぼっくり、青い状態が必要であったりと日本国内で食べるとなると期間限定

 ただ、まだ中国産でも信用出来る部類である。

 というのも、育つ場所が高所、山の頂上付近でそんなところに薬品をばら撒くことはまずコストが高く、人工的に栽培するのも非常に困難(手間が多い)であり、松ぼっくりを下に落とす工程(こちらは機械の場合もある)、そしてその松ぼっくりを割って実を取り出す工程はすべて人間の手によるものである

 

 無論、国産品も売っているのでどうしても気になるようならそちらを購入したほうが良い

 偽物が出ているというような情報は検索しても出ておらず、松の実症候群が過去に出たというくらい


 食べ過ぎにはご注意を

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