悲しみ(全3話)

ポケケポ

第1話 覚醒 -めざめ-

朝は虚ろだ。

目が覚めて2時間が経つというのに意識が覚醒しない。

連日の肉体疲労と低血圧、それに曇天…

まだ眠りの最中にいるような朝、体の痛みだけが昨日の私と今日の私を繋いでいるようだった。

生きてる感覚もないくせ、思考だけがよく働く。

周りは私を機嫌が悪いのだと距離を置いているようだった。

意識は哲学で良心だと捉えられているのだからその通りだ。

周りに線を引かれている実感。気を使われているのだろう。

私と世界には境界がある。それを無意識に作ってしまうのだから性質たちが悪い。

何が悲しいのか…。

私はとうとう良心の呵責に絶えられず意識を覚醒させるのだった。

悲しみは過去であれ現在であれ私に意識を与えるものだ。

意識、良心は優しさだと言われているが痛みの反応と同じだ。

悲しみが身体からだを満たしても、寄る辺ない気持ちだけは後にも先にも変わらず残っていた。

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