第13話 夢を奏でる結晶

彼らは決して無茶をしてるわけではないし

道行く人に迷惑をかけるつもりもない

ただ彼らは夢を見ている

そういうことなんだろう

これは私には大変よく見えるのだが

必ずしもそうとは限らない

訝しむ人もいれば

騒音だとイヤホンから流れる自由で好ましい音源で塗りつぶす人もいることだろう

これは決して間違いではない

まさに多種多様だ

彼らは夢と希望と一歩先の闇を声に乗せて歌っている

これは多くの人にはわからないのかもしれない

しかし彼らは道行く人の多くがこの音楽が響いて欲しいと思っているに違いない

私はそういう人たちを応援したいのもあるだろうが

音楽は国境を越える

言葉は国を選ぶが音楽は国を選ばない

日本人がK-popを聞くように

アメリカで坂本龍一氏が評価されるように

日本での音楽が必ずしも日本だけで評価を受けてるとは限らない

日本語であることでその音楽の全てを否定される言われはどこにもない

音楽は国境を越えるのだ

国境を越えるということは音楽は人種を選ばないともいえる

彼らがそれほど大成するかと言われればこれは何とも言えない

しかし夢あるものの努力の結晶が道行くすさんだ人を癒したならば

それは例え大成こそはしなくてもその人の人生の1ピースになれたということに違いはない

道で奏でる音楽は不器用ながらも輪郭を持つ

それは不格好かもしれないが立派な作品に変わりはない

それが聞く人の耳に影響を与えるのかもしれない

自分にも夢を見る時間があったあの日は

今となっては遠い話かもしれない

だが現在進行形で夢への時間を紡ぐ彼らは

人が年齢と共に失っていく形容し難い心象を

再び見せてくれるかもしれない

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