【メニュー1】男子高校生はバイトを探す!

・《ケモミミメイドは誰ですか!?》- 1 -

「お帰りなさいませ!”ケモミミメイド喫茶モフィ☆”へようこそ!」


今日も自動ドアをくぐり、来店してくる数々のお客さんたち。

彼らをもてなす為、今日も”僕”は歓迎の挨拶をする。


ここは、秋葉原の電気街。

絶えず騒がしい都会のど真ん中。


いまや、オタクの街と言われるこの場所で、”僕”の初仕事は始まった。

というか、”始まってしまった”…!!!


今思い返せば、何でこうなったのか。

どうにかして、回避する方法はなかったのだろうか…?


何で僕は、”メイド服”を着ているのだろう。

何で僕は、”猫の付け耳”をしているのだろう。

何で僕は、全力で招き猫のポーズを決めているのだろう…。


だ…ダメだ!深く考えるな!

これ以上考えると僕がダメになっちゃう!


「あ…あの!アンタが噂の、新人メイドの”のぞみん”?」


「はい!そうですにゃん!ご主人様は…初めましての方かにゃん?」


「あの、この名刺を見てきたんですけど…!」


「あっ!この名刺を見せるとドリンクがサービスされるんだにゃん!ではでは、お一人様ご案内にゃーん!」


今のご時世“にゃん”なんて語尾を、使う人がいるのだろうか?…いや、いたらごめんなさい。


まあでも不思議と、この仕事にも慣れてきてしまった自分がいるのだけれど。


あ、そうだ。まだ本題を話してなかったや。


まず話さなきゃいけないのは、今年で16歳を迎える僕がなぜ、”女装メイド”の”のぞみん”になってしまったのか。


まずはそこから、話し始めようと思う―――――







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る