・《邪魔者はアイツですか!?》


「ふふふ…ついに、ついに正体を掴みました…!」


暗い部屋。

パソコンの画面だけが、暗闇の中で光っている。


「相川さん…今、私が…。」


画面に移されていたのは無数の"姫乃"の画像。

それも、全て盗撮だと思われるものばかりだ。


「今すぐ私が、アイツの魔の手から救ってあげますからね…!」


画面の前で、笑う。

暗闇はその笑みを、より一層邪悪に見せた。


パソコンに映し出された姫乃の写真の横に、必ずと言っていいほど写っている女…いや、男。ん、男…?…男…だと思われる人物。


「諸悪の根源である"柊木望"から、今こそ相川さんを救うときです!!!」


机を叩き、置いてあったグラスが揺れる。

決意が、意志が、その一撃には込められていた。


パソコンに映し出された"柊木ひいらぎのぞむ"を、恨めしそうに睨みながら、意を決したようにグラスの水を飲み干す。


夜の帳は降りていく…。


望が知らない間にも、その新たな脅威は着々と、力をつけているのだった…。



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