プロローグ
王宮の
そんな一室の上座には、これまた部屋の規模に見合った
だがそこに座るのは一国の王ではなく、
白を基調とした服装。
顔はベールで
だが室内に
だがそんな室内においても少女は
「次の者、前へ」
「キャスリーン様、先日からどうにも体が痛むんです。まるで悲鳴をあげているかのよう……。どうかそのお力で
上座に座る少女をキャスリーンと呼び、老人がゆっくりと歩み寄る。時には腰を
かつては黒髪だったという髪も今はその
そうしてゆっくりと上座へと進み出ると、まるで
「キャスリーン様、聖女のお力で
老人の言葉に、上座に座るキャスリーンが
周囲の空気が張り
そんな視線に
何も持っていない、これから何を持つわけでもない。ただ手を伸ばすだけだ。それも
それだけだというのに、老人の表情が
「おぉ、痛みが引いた……。さすがキャスリーン様、
感動したと言いたげに老人がキャスリーンを
その姿に、彼だけではなく居合わせた者達誰もが
まるで
「さすが」だの「これはお見事」だのといった賛辞を口にし、
高らかに
それと同時に、キャスリーンの
まるで
閉幕からの退場はあっという間。そうして残るのは……演者だ。
まるで舞台装置のような
そうして最後の一人が部屋を出ていき
「あぁもう、
と声を上げ、立ち上がるやグッと
先程まで纏っていた厳かさも神秘さも
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