第212話 記憶のすり替え

「記憶を………?」

 私の言葉に姉は頷いた。


「そんな……、バカな……、だって……

 パパもママも…… お姉さんだけ、可愛いがって、だから、お姉さんの発表会に……」

 自分でもわかるほど、私の声は震えていた。



「いいえ、ミオ! お父さんもお母さんも、ミオを可愛いがっていたわ。私よりも、ずっと……」

「そんな……」

 私の目から大粒の涙がこぼれた。




「じゃぁ、私は、ずっと…… 

 お姉さんに八つ当たりをしていただけ……?」


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