第207話 事故

「トラックが暴走して……

 お父さんとお母さんを……!!」

 無性に身体が震えてきた。


 クッキー様が優しく肩を抱いてくれた。

 店内に流れるピアノ曲だけが流麗な調べを奏でていた。


「お母さんたちは、何処へ行く途中で事故に遭ったの?」

 姉が優しく訊いてきた。


「そ、それは……」

 喫茶店のウインドウから差し込む夏の陽射しが眩しい。

 優に、30度は越えているはずだ。

 なのに細かく身体が震えていた。

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