第159話

「ミオは、吉木公平くんに続いて

、飯野くんが殺された時点で、

解ってたはずよね。」


「・・・・、」

「あの事故が、引き金だと!」

 リオが、あたしを叱りつけた。


 でも、でも・・・・、


「どうして、連絡して来れないの

。」

「あなたに、」

 うつ向いたまま、圧し殺した

ような声で呟いた。

 かすかに、声が震えていた。

「あたしの気持ちなんか、

解りはしない。」


「え、」

 リオは、綺麗に揃えた眉を

歪ませた。


 あたしは、尚も呪詛のように、

「どんなに、必死にやっても

評価されない。美人で優秀な姉を

持った出来そこないの妹の

苦労を知りもしないで!」

 隠してきた本心をリオにぶつけた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る