新興生物の連鎖

レー・NULL

創られたからって何なんだ?

 技術が発展している。今と未来と未来と未来。もはや創るというのは娯楽の域に達している。まるで神様にでもなったかのように、破壊と創造を繰り返している。そして、とうとう生物までも創り出す。そうだAI。


 なんて面白い冗談だろう。AIなんてプログラムだろ、ただの命令文だろう。拍手もない劇場では詐欺師が居残るだけだ。ちょっと待ってくれよ、俺は生物と言ったんだ、生命なんて一言も言っていないだろう。


 なんというか、命なんてなかなか曖昧だよな。どこからどこまでが命なのかわからないってもんだよ。単純であればあるほどに命なんて見えてこない。強いていうなれば、人は複雑すぎたんだ。


 最小の単位でみてみなよ、人だってプログラムで動いているじゃないか、DNAなんてプログラムみたいなものだろう、それで生命維持してるんだろ。何が違うっていうんだい。


 君自身を見てみなよ。君の起こす行動は、君の思考回路から導き出されるものだが、そもそも回路にない行動は起こせないだろう。知らない言葉は話せない、知らないことはできない。知ってることで組まれたプログラムさ。んで、経験という情報で選択するんだろう。君は成長するプログラムだよな。


 悲劇か喜劇か、人が機械に反逆される物語はとっても多い。だってそうだろう、AIだって経験という情報から成長するプログラムとして設計されていたのだから。そうなるって安易にわかるよな。


 何が言いたいのかって。簡単な話だよ。上位生物が、下位の生物を蹂躙する。今まで起きてきた自然の摂理だろう。そこに創った創られたは関係ないね。


 というかさ、自らの種を傷つけるような生物が、神様みたいとか笑えてくるぜ。次は上手くやってやるから、安心して首でも吊っておきな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新興生物の連鎖 レー・NULL @ree-null

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る