マヌー

数波ちよほ

プロローグ

星のかけらをめぐる物語

 マヌーは僕のともだちだった。いままでもこれからも、かけがえのない親友。今はちょっと会えないけれど、いずれまた会えるはず。なぜって、僕たちは出会えたから。僕にはマヌーが必要で、マヌーも僕を必要としていたから。そして今、僕はマヌーに会いたいと思っているから――。


 でもまぁ、彼のことだから、きっとまた突然現れて、知らぬ間に旅に出てた、なんてこともあるかもしれない。彼はいつか言っていたっけ。


「夢はいつだって気まぐれなんだから。ひょこっと現れたと思ったら、また知らぬ間に姿を消してしまう。次にいつ現れるかなんて、誰にもわかりやしないよ」


 まったく、彼らしいよね。きみもそう思わない? あ、でもまずは僕たちのことをもう少し話してからでないとね。どこから話そうかな……。あ、みんなには秘密だよ。僕とマヌーだけの大切な、星のかけらをめぐる物語。

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