第10話

外へ出て

お兄ちゃん

そう呼び腕をお兄ちゃんの腕に絡ませた。


「聡子…お前なあ…」

ダメ…?

「良いけどさあ」

お兄ちゃん…顔赤いよ(笑)


「お前なあ兄貴をからかうなよ」


だって大好きなお兄ちゃんと

こうして歩きたかったんだもん


田舎ならこうして男の人と腕を組んで歩くカップルは希少なのに

都会、東京では全然、目立つ事が無かった。


ねえ…お兄ちゃん東京に来て何処か美味しい物を食べさせてくれる店って知らない?


「俺、金ねえから…何処へも入った事が無くて」


ふう…ん

で…何時もカップラーメンばっかり食べて居るんだ


そうこうして歩いて居ると焼肉屋の看板が見えた


お兄ちゃん…此処、どうかな?


「じゃあ…此処に入るか?」


うん(笑顔)


そのお店は雑居ビルの中にあり三階にあった


田舎では考えられない程に

お店の規模は小さかった


店内は空いていて好きな場所に座る事が出来た。


座ると店の店員さんが私達の席に注文を取りに来た。


私しは…取りあえず生ビール二個を注文したが


「お前…未だ未成年だろうが」


そう言うお兄ちゃんに

私しの口元に人差し指を立て

ビールくらい私しだって飲めるからと

そう言い、届けられたビールジョッキで

お兄ちゃん…今日はお疲れさまでした


そう言い乾杯とジョッキをカチンと合わせた


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