異世界の観光ガイド~元・勇者様は帰りたい~

夕闇 夜桜

アルトリア編

異世界召喚:リスタート

プロローグ 異世界女神は信用ならない


「……」


 ああ、何と言うことだろうか。


 平凡とはいえ、受験して、高校に進学し、それなりに(楽しく)暮らしていた所で、まさかの異世界召喚。

 そして、女神様にも頼まれたということもあり、何だかんだあって、魔王も倒して――いや、倒したでいいのか? あれは――ようやく、元の世界に帰ろうとした矢先に、『コレ』である。


 え、何。これは私に帰るなってこと? ねえ、ユリフィール様。


「それで、君は……」


 目の前では、どちらかといえばイケメンに入るのであろう少年と、彼に巻き込まれたであろう青年。

 そして、少年のヒロインとなるであろう王女様らしき少女。

 状況から察するに、自己紹介イベントか。


「……セナ。結城ゆうき星奈せな


 字の説明をするまでも無いだろう。

 ちなみに、今の私は異世界人だけではなく、異世界の神々に対しても不信感でいっぱいである。


 とりあえず、一言言いたい。


 ――私を早く帰らせろ。クソ女神!


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