第49話 山田さんが来ない

【山田さんからの電話】

着信があり、画面を確認すると、山田さんからです。


(そろそろ更新確認の時期だな)などと思いつつ、電話に出ます。

加藤さん「はい、加藤です」


山田さん「お疲れ様です、山田です。今、お電話よろしいでしょうか?」

加藤さん「はい、大丈夫です」


山田さん「ありがとうございます。そろそろ更新の時期でして」

加藤さん(やっぱり)



【電話だけ】

山田さん「先方からは、加藤さんがよろしければこのまま更新でと伺っているのですが、いかがでしょうか?」

加藤さん「はい、それは私の方もお願いしますなんですけど」


加藤さん「面談いつにしましょう、というのではなかったんですね」

山田さん「すみません、今回もお電話で意思確認させていただくという形で」


加藤さん「前回は、その前が 1ヶ月だけでしたので、電話だけでって話でしたよね? 次は、会いに来ますって仰ってましたよね?」

山田さん「すみません、今回もお電話で。何かありましたでしょうか?」


加藤さん「いえ、別にないんですけど、どうでもいいと思われているのではなかろうかという疑いが」

山田さん「そんなことはありませんから」



【他のところは】

お昼休みの雑談に、派遣元の担当が来ないという話を。

加藤さん「藤沢さんや、菊永さんのところはどうなんですか?」


藤沢さん「三ヶ月に一回の更新確認の時だけですけど、一応会いに来てますよ」

菊永さん「私は藤沢さんと同じところなので」


藤沢さん「前に登録していたところで、月 1でというところもありましたね」


加藤さん「そこまで頻繁ですと、ちょっと面倒くさいかもしれません」



【担当者は同じですが】

加藤さん「でも、派遣元の担当者は同じなんですけど、前の所に行ってた時は、ちゃんと更新確認の度に来てたんですよ」


加藤さん「派遣先の課長さんとの面談もされてましたし。ここは、派遣元にとっては、そんなにいいお客さんじゃないってことなんですかね?」


藤沢さん「担当する人が多くなって、忙しくなっているだけかもしれませんよ」

菊永さん「それに、ここは常に募集しているようなものですから、いい人を見つけられなくてごめんなさい、となってしまうからとか」


藤沢さん「課長も、色んなところから派遣してもらっているから、全部と会うのは大変で、断っているのかもしてませんね」

加藤さん「確かに、そっちもあるかも、ですね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る