第30話 一ヶ月が過ぎ

【お電話です】

一ヶ月が過ぎ、まだまだ藤沢さんのスピードには追いつけないものの、お仕事にも慣れてきました。


そんなある日、山田さんから電話が。


加藤さん「はい、加藤です」

山田さん「お疲れ様です、山田です」

加藤さん「お疲れ様です」


山田さん「次の水曜日の午後にお伺いしようと思うのですが、ご予定は大丈夫ですか?」

加藤さん「はい、時間が作れるようにしておきます」



【面談】

水曜日、山田さんとの面談です。


山田さん「お仕事はどうですか? 楽しいですか?」

加藤さん「まだまだ覚えることが多いのですが、こんな職場は嫌だ、ということはないですね」


山田さん「嫌だということでなければ、よかったです」

加藤さん「そうですね、皆さんによくしていただいてますし」


山田さん「で、更新のお話なんですけど」

契約終了の一ヶ月前にはどうするかをまとめなければなりません。ですので、三ヶ月契約ですと一ヶ月ちょっとの時点で更新のお話になります。



【更新する?】

加藤さん「私は、このまま更新していただけるのでしたら、お願いしますで」

山田さん「ありがとうございます。では、先方にもその方向でお話しさせていただきますね」


更新の意思を派遣先と派遣社員、どちらに先に確認するかはその時々によります。


今回は加藤さんが先ですので、派遣先も更新ということでしたら、月末には次の期間の書類が送られてくることでしょう。


本来なら、更新決定の時点で一報があるべきでしょうが、省略されることも多いです。



【一ヶ月】

しばらくして、加藤さんの家に書類が届きました。

開いてみてみると、期間が「一ヶ月」になっています。

どういうことだろう? 山田さんに確認しないと、と思っているところに、山田さんから電話です。


山田さん「今回の更新で、期間が一ヶ月になっている件なのですが」

加藤さん「ちょうど、お伺いしようと思っていたところです」


山田さん「他の方と更新時期を合わせるため、今回だけ一ヶ月でお願いしますとのことです。加藤さんが悪いとかその様なことではありませんので」

派遣先の事務処理の都合で期間が変更されることは、あります。


加藤さん「それでしたら、私は四ヶ月でも構わないのですが」

山田さん「先方の全社的な決まりで、三ヶ月より長くはできないとのことで」

何はともあれ、加藤さんの契約更新は決定です。

※リーマンショック以降、契約期間を押さえる傾向は強くなったように思います。

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