第120話 キズが疼(うず)いた

 こうして文孝の祖父母と舞美たちは警察へ連行された。


 だが文孝の祖父は一貫して全ては自分がやったと繰り返すのみだ。

 舞美らは黙秘していた。


 オレは自分の部屋にこもって事件を思い返していた。


 ベッドに横になり天井を見詰めていた。


 その時、額の傷がうずき出した。

 バンダナの下の傷跡がギリギリとうずいた。


「くぅ、傷跡キズうずくゥ…!

 真実を暴き出せって……❗❗❗」


《オレ様の辞書に解けない謎はないンや~!!》

 またナポレオンがオレの頭上を飛び回っていた。


「あ❗❗」その時、突然、脳裡にひらめいた。


「そうか! ヤツがいたな!!

 まだヤツが……❗❗❗」


《せやで~! が真犯人や~~!!》






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