第116話 殺された後

「だが、ワシが、学校へ着いた時は、既に……、阿久堂は殺された後だったんだ」


「えェ…、殺された後……!!」

 オレとリオが繰り返した。


「そこで、ワシは、用意したナワで阿久堂の遺体を校舎へ吊ったンだ」


「ナゼ、そんな面倒な事を?」

 リオが尋ねた。


「ひとつは、もちろん犯人を力のある若い男だと思わせるためだ!」

「まだ他にも……?」

「ああ……」

 チラッと祖母の方を見た。


「見せしめだ!」

「み、見せしめ……?」


「そうだ。あの校舎から文孝は飛び降りたンだ。どうしてもヤツに謝らせて、この手で……」

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