第2話
この街では珍しくもない大雨が降る街で
何かに追われ誰かが逃げ惑っていた。
レンガ造りの家が並ぶ街に
一人の少年が居る。
それが彼だ。
この少年、至極臆病で
今年で十と一つになるというのに、
暗闇の中を走る鼠に
「おばけの使いだ、殺される!」
などと騒ぎ立てて母親に泣きつくのだと。
しかし11という年齢の割には
少し小柄な体格をしていて、
怖がりのくせに物置の隙間や
クローゼットの裏へ入っては、
母を始めとした他人が失くしたという物を
見つけるのが得意だったりする。
おかげで周りの人は彼のことを
ペルソナ スコパータ と呼ぶこともあった。
そんな彼が何故この大雨の中逃げ惑うのか
始まりは少し前だった。
数日前、少年はこの時期珍しくもない病にかかり高熱を出してしまったのだ。
死には至らないものであるがやはり
まだ歳もいっていない故、
苦しいものは大変苦しく感じていた。
熱は下がることなく頭は朦朧とし、
喉に痰が詰まって息苦しい。
おまけに外は雨が降っていて
中々に寒い。
無色の天使 はくよく @karma_city
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。無色の天使の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ねえ、話を聞いて/はくよく
★0 エッセイ・ノンフィクション 連載中 1話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます