僕の街には妖怪が棲んでいる

ナノサ

プロローグ

──この街には沢山の妖怪が棲んでいるんだよ。


昔おばあちゃんからずっと聞かされた言葉だ。僕が住む街には、妖怪が棲んでいるという言い伝えがある。妖怪と言えば場所によっている妖怪が違ってくるけど、何故かこの街にはそんなものは関係なく妖怪が棲んでいるらしい。小さい頃の僕は妖怪を信じていた。でも、もう高校生になった僕はそんな存在など昔話だと思っていた。そんな僕とは反対に、姉ちゃんはまだ信じているみたいだ。もういい歳なはずなんだけどなぁ。一応しっかりしている姉なんだ。ただ、ちょっと抜けてるだけ。親の帰りが遅いからいつも家事をしてくれてる。まぁそんな姉の話はまた今度にして。早く本題に入ろう。そろそろ僕も話すことなくなってきたし。



今までごく普通の日常生活を送ってきたのに、まさかそれが急変してしまうなんて思ってもいなかったよ。あんな出来事、今まで妖怪を信じていなかった僕が妖怪を信じるようになったんだから。

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