ふざけた世界でブリキは奔る

猫狐

第一話『はじめてのおしごと』

プロローグ 神、語る

神は言った。


「理想の世界を作ろう」


神の言葉に対し、美しく可憐な天使が尋ねた。


「我が神よ、それはどのような世界なのですか?」


神はにこりと微笑み、応えた。


「剣と魔法。蒸気と魔力。人間と魔物。科学と非科学。過去と未来。カジュアルとパンク。ありとあらゆる要素と因子を混ざっているのに、それでいて差別の無い、誰でも、どんなものでも、生きたいように生きることが出来る世界だ」


天使は涙を流し、神へと問うた。


「それってこの積み上がった書類仕事の最中にする話ですか?」


 ほんの瞬きの間だけ言葉に詰まったが、神はすぐさま笑みを浮かべた。


「まぁ……ほら……世間話しながらのほうが捗るだろ?」


 天使が首を振り、ため息を吐いた。


「手、止まってましたけどね。それで? 貴方が趣味で作るその世界、どんな名前なんですか?」


 なんだかんだこうして話に付き合ってくれるあたり、やっぱ良い子だよなぁと思いながらも神は微笑み、天使の疑問に答えた。


「『モートピア』。最も理想郷に近い世界……という意味さ」


 その神の声は、どこまでも澄んでいた。


「いや、『もっと』と『ユートピア』を略しただけですよねそれ。『○○語では??という意味になる』みたいな言い方するの止めてもらえます?」

「チッ。付き合いが長いとすぐバレるな」






【TIPS】(ベゼ○ダのオープンワールドのローディング画面に出るヤツ)

・神について

自称全知全能。

『お前が持ち上げられない岩を出してみろ』と言われたら、

『は?やだよ。なんで信者でもない奴の頼みを聞かなきゃなんないの? お前アレだな? 芸人やってます、って名乗った相手に『すごーいなんか面白いことやってー』って言うタイプだろ。嫌われるから止めといたほうがいいよ。友達も減るし……あ。俺、全知全能だから分かっちゃった。お前が友達だと思ってる奴ら全員、お前のことを使えないパシリとしか思ってないわ』と返すタイプの神。


・天使

神に仕える使徒。

勤務時間は長いが、給料は良いし私服OKな職場なので大きな不満は抱えていない。

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