畑の呼び声、の返事

 ねえ、どんな感じ?


「うーん……まあ、不安に襲われるとこうなるかもしれないな」


 そうでしょ!


「でも……これも、わからないな。こっちではドローンとか遠隔操作できるロボットなんかが行き渡ってるから、もう嵐の夜に出かける人はいないと思う」


 えー


「そっちも似たようなもんだろ? こっちとの違いも曖昧になってきたし。強いてあげれば、環境に合わせるか、環境を変えるか、についてのそれぞれの度合いが強いか弱いか、くらいだろ?」


 まあ、そうかも。


「それで、後はどんなことをして欲しいんだ?」


 あなたにも物語を書いて欲しい。


「物語?」


 そう。そっちでの仕事の際には、今後はそれも報酬として貰いたいんだ。


「何でまたそんな?」


 その……同じレベルの……というか、若干下の人が居てくれると安心できるから……


「ああ……なるほど。正直だな、お前」


 いや、まあ、見る前から決めてるってわけじゃないんだけど……


「いいって。やるよ。やってみるよ」


 ありがとー


「それで、お前のところのオーナーだが、本当に何も企んでいないんだろうな?」


 企むって、何を?


「本当に工房とか喫茶店とかのオーナーやってるだけなのか、ってことだよ」


 実際そうだし。


「じゃあ、噂の二号店とやらはどうした?」


 ああ、あれ……


 えーとね。一応出店を予定していたんだけど、横やりが入って妙なことになったとか聞いてるよ。私も詳細はわからないんだ。


「お前がその二号店に出入りしているって聞いたぞ。どこにあるんだ、それ?」


 あーと……うーと……まだ秘密。


「お前を信用しているが……警戒はしてしまうからな」


 えーとね……海の方にあるよ。今はそれで許して。


「わかった。ところでお題か何かくれるのか? お前の依頼は」


 うん。今から送るね。

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