第117話 承
「承認」つまり、「承」であることを認めるということである。
「承」とはつまり「起承転結」のふたつめ。
「起こって」「
初心者は起承転結に則って物語をつくるといいと言われてたような気がする。
しかしそのへんも向き不向きがあるので、「序破急」とか「五幕物」とか、ほかの物語構造も知っておいたほうがいいし、そのへんの構造が完成する以前の話とかも知ってた方が逃げ道が多くていいぞ。
どこで読んだか忘れたが、物語が長くなる場合、「起承転結」の「承」ばかりが増えることになるという。「起承承承承承承承承承承転結」とかになるのである。
ウケた。まわる。
逆にいうとウケないと回らないのである。スベると前に進めないのだ。
話のどこまでが本気か大変わかりにくいかもしれないが、まともなことは他の書物をひもといてもらいたい。私は真面目に物語構造を説明しようなどと思っていないのだ。これまでの116話を読んできた人ならそのへんはだいたいわかってもらえていることと思う。
ほら、今回も600字近くなるとそろそろ話を終わらせようとしてる。「そろそろ終わろうか司令」が命令しているのである。いやこのネタは前回のやつ。ウケたからもう一回登場させようなどと考える悪い癖である。
あんまり登場させるなら「そろそろ終わろうか司令」の人物像について語ることになるが、それは司令の名前が今度ここに現れたときになるだろう。現れなければそれまで。
本題に戻る。
「承」である。
「起承転結」は4コマ漫画の基本形でもある。4コマなのでまさに一コマずつが対応する。
そして某四コマ漫画の単行本の中に書かれていた言葉だが、「4コマ漫画の二コマ目は比較的重要性が低い」のである。
ではなぜ物語が長くなると「承」ばかりが増えることになるのか。「起」は一回しかできない。起きた状態からさらに起きられないからだ。二度寝するのは「起きたことを承って」やることなのだ。
「転」はそれをいつまでもやってられない。ずっと転がってると痛いじゃないか。体中すりむいて打撲して怪我だらけになる。
「結」も「起」と同様に終わるのは一回きりだからだ。命はひとつきり。死んだら終わりなのだ。生き返ったら「起」になって物語が再び開始するのだ。
そういうことで主張がもっとも弱い「承」が話を長くする役割を承っているのである。彼はいつも承り続けるのだ。
くれぐれも真に受けて真面目に解釈しないように。
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