第95話 自動車

 父が入院したため、私は半年以上運転してなかった車の運転をせねばならなくなった。

 比較的簡単な道のりだが、行ったことない道を行かねばならないので緊張がひどい。手に汗をかいてハンドルがしっかり握れない。

 車幅感覚などないので、バックも狭い道を通るのも極力避ける。

 しかし、うちの前の道がすでに狭い。バックがいやで、前に進む。T字路を右に曲がると比較的走りやすい道なのだが、まっすぐ行くと狭いS字カーブがあってつらい。しかしその右側から車が来たため、仕方なくまっすぐ行く。そしてS字で溝にタイヤを落とす。

 同乗していた母が、しつらえたように置いてあったコンクリートブロックを使って回復させてくれた。

 憶測だが、そばの家のひとが前で溝に落とす車が多くて用意してあったのではと思う。

 なんにしても助かった。

 けど、ハンドルがしっかり握れないほど手汗かいたのはこのせいである。


 車は急に走れない。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る