第111話 「万引き家族」はいない

「万引き家族」が、2018年度カンヌ映画祭で、パルムドール(最高賞)だ。

しかし、実際に万引き家族がいたら、「家族の絆」を云々している場合じゃないだろう。貧困とモラルの問題は簡単に結びつかない。

このフィクションは、あくまでも、フィクションだ。

現在、日本の貧困には、多様な社会保障がある。


この映画製作の背景には、親の死亡届を出さずに年金を不正に受給の家族の実際にあった事件といわれるが、それをすなわち、今日の日本の貧困という解釈は、異なるだろう。

それは、個の犯罪でしか過ぎない。

この監督に、貧困の経験はあるのだろうか。



追記すると、2018年度カンヌ映画祭、スペシャル・パルムドールを受賞した、ゴダールの「イメージの本」は、アラブでの事象、戦争という視点、コラージュされた、それは、一点の思想を伝えるだけではなく、観るものにとって、多様な解釈ができるだろう。

87才にして、ゴダールの映画の製作の理念のベースが違うということだ。

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