第109話 移ろいの記憶を固定化するフォトコラージュ。アストリッド・ライシュヴィッツ
記憶は移ろい、思い出そうとするたびにそれは変化する。そして、アストリッド・ライシュヴィッツの方法
ドイツ出身(現、US在住)の写真家アストリッド・ライシュヴィッツ(astrid reischwitz)は、現在の写真と過去に撮影された写真を組み合わせて作品を制作。
複数の時間軸の組み合わせで、時間から、その記録は移ろい、失われてしまうことのないようにフォトコラージュされている。
それは、主に家族の記憶をつなぎ止めようとしている。
それぞれのイメージは、アストリッド・ライシュヴィッツが、ドイツに帰宅したときに見たものと、以前の家族写真を組み合わせることでつくられている。そして、そこには、エプロンやテーブルクロスのようなテキスタイルは重要な要素の占める。
「記憶は移ろい、私が何かを思い出そうとするたびにそれは変化してしまいます」アストリッド・ライシュヴィッツ
過去は、固定されたものだと一般的には考えがちだ。
しかし、実際は、流動的な個々の意識の問題だろう。
これらのフォトコラージュ作品は、移ろいの記憶に、現在と過去をつなぎ止める装置とも考えられる。
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