第65話 ヴァルター・ベンヤミン著作集III 「言語と社会」解釈

解釈「言語と社会」ヴァルター・ベンヤミン著作集IIIから、「言語一般および人間の言語 」 1916


解釈「言語一般および人間の言語 」

人間の精神面の表出は、すべて、言語の一種として把握することができる。

この把握にあたっては、至るところで新たなる問題の提起の道が開かれた。

簡単に言えば、精神面全ての伝達は、すべて言語に他ならない。

精神本質は、それが伝達可能な限りにおいてのみ、それは、言語の本質と一致する。

また、人間言語の本質は、事物に対して、命名することなのだ。

その命名することが、自己を伝達することなのだ。

それは、だれに伝えているのか?

人は、どのように自己伝達をするのか?


そこから解釈できることは、人間のみが普遍性と集中性の両面から、完全な言語を有している、ことだろう。

それは、また、*形而上学的な重要な要素を持ち合わせているだろうが、まずは、精神的本質とは、言語的本質と呼ぶことができるか?

精神的本質=言語的本質であれば、事物(表象・事象)は、その精神的本質の媒体となろう。

所謂、言語の内容等は存在しない、伝達している言語は、精神的本質を伝え、それは、伝達の可能性そのものを伝えることなのだ。


このベンヤミンの思想は、神学とマルクス主義にも由来する社会学を融合した特異性をもち、他との同一化を拒む部分もあり、現在、多様な解釈もあるだろう。


(註)

*形而上学とは、感覚ないし経験を超えた世界を「真実在」とした場合、その世界の普遍的(共通)な原理について理性的な思考(感覚・知覚と異なる知的精神作用)によって認識しようとする学問、また、哲学の一分野である


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