第129話 知良浜ダンジョン最終日
修正:取得アイテムのハイキュアポーションをミドルキュアポーションに変更しました。
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今日でゴールデンウィークの探索も終わりだ。
最終日には十九階層を探索した。他の探索者が全くいないわけではないが、思っていたほど多くもなかったので、出会わないように注意しつつポチとタマがモンスターを倒していく。
流石に深く潜るほどモンスターのエンカウント率が上がる。
探索者の数も関係するだろうが、昨日の十八階層までと比べ、倍とは言わないが1・5倍くらいは多い。
ポチとタマは昨日そこそこ戦闘したので、昨日よりはまだ俺に回してくれた。と言っても全体の三分の一以下だけど。
俺にしてもエピックモンスター複数を一度に相手にできるほどレベルは上がっていない。
洞窟や坑道タイプなら通路を利用して1対1に持っていくこともできるんだが、フィールドタイプはそうもいかない。
戦闘音を聞きつけて、近くにいるモンスターが寄ってくる。
トゥースリザード二匹に挟まれたとき、結局〈ブラックファング〉を使って一匹を先に始末するという方法をとってしまった。
ここの十七から十九階層は、今後の戦闘訓練に良さげではあるが、企業探索者が多いのがなあ。
しかしエピックモンスターを結構な数を(ポチとタマが)倒したのでミドルキュアポーションとハイヒールポーションが1本ずつ手に入った。
キュアポーションは状態異常を治すことができるポーションだが、ちょっとした病気も治せる。まあ風邪とかに使うにはもったいないけど。
「じゃあそろそろ出るから、ポチとタマは隠れてくれ」
「はいにゃ」
「承知しましたワン」
帰る前に装備の変更だ。一旦マイボス部屋に転移して置いて装備を変更する。
まず武器をマチェットとエレホーンソードに変え、次に麻痺耐性の指輪、物理防御のアミュレット、ジャンピングワラビーの腹袋を外す。
鹿革のナックルガードは付けたままでもいいか
悩んだがポイズンモスの魔石をいくつか売却に回すことにした。
ポイズンモスはロングセンチピードやキラーマンティスほども外殻が硬くないし、攻撃力も低い。鱗粉による毒攻撃が厄介だが、そこは毒消しポーションと毒耐性の指輪で防いだと言い訳が立つ。まあ毒耐性の指輪は鑑定に出してないけどそこはいいだろう。
それに俺が持つエレホーンソードはエピック武器だから脅威度7であったとしてもレアモンスターに十分通用する。
ジャンピングワラビーの腹袋から溢れたドロップ品を《倉庫》放り込む。
「タマ、今日のドロップした魔石は裏山ダンジョンのリソースに回していい」
「わかりましたにゃ」
十五階層まで増やしたこととアンゴーラカウのポップ設定でリソースをかなり消費したからな。
三十階層まで作れたらどこかに入り口を開けることも考えているんだが、どこに開けるかも重々考慮しないと。まあその前にリソースの補充が先だけど。
近場に消失推奨のダンジョンがないのだ。流石に近畿圏外まで調べていない。流石にそこまでの遠距離となれば次の長期の休み、夏休みになるしなあ。
生狛は本当に好条件だった。
マイボス部屋に置きっぱなしにしてあった、夜営用の荷物を詰めたバックパックを背負うと、ドロップ品を詰めたボストンバッグを肩からかけ、さらに手提げ袋を持ち上げる。かなりの量だが二日半の探索としてはおかしくない量のドロップ品だと思う。
「悪いな、しばらくは影に隠れててくれ」
「お疲れ様ですにゃ」
「お供でき光栄ですワン」
二匹が影に潜んだことを確認し、知良浜ダンジョンの一階層へ飛んだ。
一階層の改札前に置かれているカートにボストンバッグと手提げ袋を乗せて、ゲートを通過する。
知良浜ダンジョンの受付フロアは三日前より断然人が少なかった。
昨日で連休が終わっているところも多いので、兼業探索者は昨日でに引き上げているものが多いのだろう。
兼業探索者が減ること、専業探索者が戻ってくるのだが、ここは企業探索者が多いのでその割合が少ない。
そして時間的にお昼前というのも空いている理由だ。
空いている窓口で売却用のドロップ品を提出し、スクロールと解毒ポーション一本を鑑定依頼に出した。番号札を受け取りロッカールームへ行く。
着替えたら先にどこかで食事をしよう。朝の六時から五時間も探索していたから、流石に腹が減ったな。荷物はロッカーに預けたままで外に食べに出るかな。
ちょうど客待ちをしているタクシーがあったので、運転手に日帰りで温泉と食事ができるところへ送ってもらった。
二日風呂に入ってないから匂うかな。クンクンと自分を嗅いでみるが、臭くはないと思う。
平日といっても休みの人間は多いのか、温泉には観光客? がいるためタマたちは洗ってやれないので、一人露天風呂を堪能した。
そして遅めの昼食に海鮮料理を堪能する。うまうま。お値段はったけどクエとかいう魚を使った小鍋がついたのにした。
そして知良浜ダンジョンの協会施設に戻ってきたときには三時を回っていた。ちょっとゆっくりしすぎたかな。
査定は終わっているはずと窓口に行って探索者免許証と番号札を提出する。
受け取った職員が免許証を見て、何も言わないのでどうしたのかと思ったが、何かを確認してから俺の方を向いた。
「鹿納 大和様、申し訳ありませんが少し別室でお話しさせていただきたいのですが」
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ハイヒールと入力すると選択肢はモモコとリンゴが出てくるが、モモコが上なのな。
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