第117話 十五階層の中ボス

 余裕なくって更新滞りました。そしていつもと違う時間です。

 ついでにCM

 アルファポリスから〝神様に加護2人分もらいました〟の書籍7巻が4月20日ごろ(出荷が19日)発売になります❤️電子書籍はそれより遅めです。


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 十五階層はあたりの道を進んだようで、一時間ほどで中ボス部屋前に到着した。

 したのだが。


「扉が開いてる……」


 扉の前には探索者の荷物が置かれていたが、あたりに探索者はいない。

 ボスのリポップ待ちをしていた探索者パーティーは、ボス戦に挑む前に邪魔な荷物を置いていくことがある。特に深層ではその傾向にあるのは、そこに至るまでに日数がかかるため、大荷物になるためだ。


 境クラスのダンジョンになると十五層到達まで数日かかる。

 これはパーティー人数だけでなく、メンバー構成とかでも変わる。


 パーティー全員が戦闘要員か、荷物持ちポーターがいるかどうか。

 今ボス部屋で戦闘中のパーティーは全員戦闘要員なので、荷物の見張りがいないのだ。


 扉に近づくと隙間からガキン、ゴキンと戦闘音が聞こえてきた。

 ボス部屋は扉が開いていても、あまり中の音が外に響かない仕様になっている。

 戦闘中だからといって入れないわけじゃないが、入らないのが探索者のマナーだ。だが覗くことは許されている。


 俺は後日ボスに挑戦する時のために、戦闘を見学することにした。

 この時、扉の内側に入ってはいけない。入ってしまうと流れ弾に当たってしまうが、入らなければ中でどんな飛び道具や魔法が使われていても当たらないのだ。


『残念ですワン。吾輩の爪をミスリルゴーレムにお見舞いしてやりたかったですワン』


 影の中からポチが念話て伝えてきた。


『今回は残念だったけど、挑戦する機会はいくらでもあるよ』

『そうなのですかワン』


 ポチとダンジョン探索するのはこの境ダンジョンが初めてだしな。


『俺は普段は学校というところに通ってるから日中は無理だけど、放課後……えーっと夕方くらいに《階層転移》を使ってよそのダンジョンを探索してる。ここにも後日挑戦しに来るつもりだから』

『ではその時を楽しみにするとしますワン』


 学校とか放課後とか言ってポチたちにわかるのかとも思ったが、特にその辺りに対する質問はなく、後日自分にも戦わせて欲しいと言ってきた。


 そうだな。ここは踏破禁止ダンジョンだし、一度っきりってことはないのだ。

 そうこうするうちに戦闘が終わってしまったようだ。


 銀色に鈍く輝くゴーレムの身体が黒い粒子へ変わっていく。

 ……銀色? ミスリルって銀色だったっけ?


「くそっ、なんでジュラルミンゴーレムなんだよ」

「せっかくボス部屋前で二日も待ったのに」

「なんでボスが変わったんだ?」


 中にいたのは全員男性で、年齢は三十代から二十代前半とバラバラっぽいが、装備はハンマーとモーニングスター、そしてハルバートというか戟? ああいう武器もあるんだ。

 そして一番年若い男が長杖を装備していた。

 アレって魔法発動補助する杖かな。


=【エピック・ウエポン】《ミスリルスタッフ》ミスリル製の杖/スキル《ダブルスペル》= 


 おお、エピック武器だ。

 《ダブルスペル》って使った魔法とおなじ魔法をもう一発発動できるスキルだったか?


「ああ、クッソ。予定組みなおしだな。一度戻るか」


 そういってドロップ品を回収してこちらに向いた男たちと目があった。


「なんだ、ボス待ちするならリポップは三十六時間後だぜ」

一兄いちにい、もしかしたらリポップまでの時間も変わってるかもよ」


 後ろにいた杖装備の一番年下っぽいのが一番上のハンマー装備の男に告げる。


「そうだよ一兄、シオンのいう通り、ボスが変わってるんだ、リポップまでの時間が変わった可能性はある」


 四人はこっちに向かってくる、というか荷物を取りに来るんだろう。


「あれ、あんたソロなん? ようこんなとこまで一人できたな」

「サブ、探索者は見た目で判断するもんちゃうで」

「そうだぞ、サブ。あのハンマーは俺のより上もんっぽいし、ププ、グーパンのハンマーってほんまにあったんやな」


 一兄と呼ばれた男、どうも兄弟なのかどことなく似た雰囲気の四人の、ハンマー持ちが俺のスチールアームハンマーを見て笑いを堪えきれず、吹き出した。


「俺らは帰るけど、多分最低でも二十四時間はリポップしないだろうから下に降りるんやったらその辺目安にしいや」


 戟を装備した一番背の高い男がそう言いつつ俺の横を通り過ぎる。


「モンスターの分布が変わってるみたいやから、持ってる情報鵜呑みにせんと気いつけた方がいいで」

「どうも、アドバイス助かります」


 四人は会話をしつつ荷物を回収に行った。

 本来こういう情報は教える必要はない。ものによっては協会に売って情報料をもらうこともできるのだ。だからこっちもちゃんと礼をいう。

 

 俺はそのまま奥の扉を抜け階段を降りる。十六階層に《階層転移》できるようにしておくためだ。

 どうもダンジョンの成長のタイミングに鉢合わせたようだ。



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【おまけ】大和の保有スクロール(売却と保留分)

売却

1、〈スラッシュ〉コモン リトルリカオンからドロップ

 武技スキル オークションで売却

2、〈スマッシュ〉コモン リトルリカオンからドロップ

 武技スキル オークション出品中

保留

1、〈裁縫〉レア ビープシープからドロップ

 技術スキル (読者様はあの人のところにいくだろうと思っている……かもしれない)

2、〈魔力強化〉レア ビープシープからドロップ

 強化系スキル そろそろ取得を考え中

3、〈刀術〉エピック アンゴーラブルからのドロップ

 武術スキル 刀が手に入ったら取得する予定

4、〈紡績〉レア ビープシープからドロップ

 技術スキル (読者様はあの人のところにいくだろうと思っている……)

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